婚活疲れの原因は「選択肢の多さ」かもしれない──“ジャムの実験”から学ぶ、迷いを減らす考え方

分析

出会いはあるのに、選べない。婚活の“迷い疲れ”に陥っていませんか?

マッチングアプリや婚活サービスが普及し、「出会いがない」時代は終わったかのように思える今。
それでも、多くの人がこんな悩みを抱えています。

  • 条件に合う人はたくさんいるのに、ピンとこない
  • メッセージは続くけど、会う気にならない
  • 「この人かも」と思っても、また他の人が気になる
  • 気がつくと、誰とも深まらないまま疲れてしまう

それはもしかすると、“選択肢が多すぎること”が原因かもしれません。
この記事では、心理学で有名な「ジャムの実験」を紹介しながら、なぜ私たちは選べなくなるのか?どうすれば納得して選べるのか?を一緒に考えていきます。


結論:「選びきれない」なら、あえて絞る工夫を

“選択肢が多すぎると逆に選べなくなる”という現象は、心理学の実験でも明らかになっています。
この視点は、マッチングアプリのように出会いの母数が多い婚活環境において非常に参考になります。

だからこそ、婚活で「迷って進めない」と感じたら、あえて選択肢を絞る工夫をすることが、納得できる相手に出会うための近道になるかもしれません。


「ジャムの実験」とは何か?

有名な研究:アイエンガーとレーパーの「ジャム実験」

この実験は、2000年にコロンビア大学の心理学者シーナ・アイエンガー(Sheena Iyengar)とマーク・レーパー(Mark Lepper)によって行われました。
正式な論文名は、“When Choice is Demotivating: Can One Desire Too Much of a Good Thing?”(2000年, Journal of Personality and Social Psychology)です。

実験の概要:

スーパーの試食コーナーで、24種類のジャムを用意したグループと、6種類のジャムを用意したグループを比較。
どちらが多くの人を引きつけ、どちらが実際に購入につながったかを調べました。

  • 24種類のジャム → 試食に立ち寄った人は多かったが、購入したのはわずか3%
  • 6種類のジャム → 試食する人は少なかったが、購入率は約30%

つまり、「選択肢が多すぎると、選べなくなり、満足してジャムを買うことができないという結果が得られたのです。


婚活と“ジャムのジレンマ”:応用できるか?

「選択肢が多い=幸せ」とは限らない

婚活では、「いい人がいたら付き合いたい」と言いつつ、実際には迷いが生じやすくなっています。

  • 条件を少しでも満たさないと次にスワイプしてしまう
  • 「もっといい人がいるかも」と思って決断を先延ばしにする
  • いざ付き合っても、「他の人と比べてどうか?」と考えてしまう

これは、まさに“ジャムのジレンマ”に近い心理状態。
選択肢が多いことで、一つに決めるプレッシャーや後悔のリスクが増すということです。

ただし、婚活はジャムとは違う面もある

婚活は「味」や「好み」だけでなく、人間関係や将来の生活を含む長期的な判断が必要です。
一度きりの選択ではなく、付き合ってからも関係を育てることができる点で、ジャムとは根本的に違います。

そのため、婚活では「最初から完璧な選択をすること」よりも、「納得できる選択をすること」や「選んだ後に関係を育てる意志を持てること」の方が大切です。


婚活で迷いを減らすためのヒント

ヒント① あえて「条件」を減らす

プロフィールの段階で、相手の条件に厳しくなりすぎていませんか?
希望年収、身長、学歴、職業、家族構成……絞りすぎることで、比較の軸が増え、かえって選べなくなることがあります。

おすすめは、「条件の優先順位を3つまで」にすること。
すべてを満たす人はいないという前提で、「これだけは譲れない」ものだけを残しましょう。

ヒント② 「比較の罠」に気づく

アプリでは、いつでも他の選択肢が見えてしまうため、いま目の前にいる人と「見えない未来の誰か」を比べてしまいがちです。

でも、選択肢が多いからといって、「もっといい人」が現れる保証はどこにもありません。
「一緒にいて安心できる」「話していて自分らしくいられる」など、“感覚的な納得感”も重視しましょう。

比較をしつつ、いつ決断すべきかと悩む方は、数学的な最適解をご紹介したこちらの記事もご覧ください:

その迷い、数学で整理できるかも?「この人でいいのか」と悩むあなたに効く最適戦略の話
「この人でいいのかな?」婚活のモヤモヤ、出口が見えないマッチングアプリで出会った人と何度かデートを重ねたものの、ふとよぎる「この人で本当にいいのかな?」という気持ち。年齢も年齢だし、結婚を見据えたパー...

ヒント③ 一度、立ち止まって振り返る

メッセージだけで何人も同時進行していると、相手の印象が混ざり、誰にも集中できなくなってしまいます。
「今やりとりしている人を、一人ひとり丁寧に見る」ことは、決断の質を高めるために大切なプロセスです。


まとめ:「選択肢を減らす」は、婚活における前向きな戦略

選択肢が多いことは、自由であると同時に、迷いや決断疲れも生み出します。
ジャムの実験が示すように、「選べない」のは、意思の弱さではなく、選択環境の問題かもしれません。

今日のまとめ:

  • ジャムの実験は、「選択肢が多すぎると、選べなくなる」ことを証明した研究
  • 婚活でも、選択肢の多さが「迷い」や「決められなさ」につながることがある
  • 婚活は「育てていく関係」なので、完璧な選択よりも「納得感」が大切
  • 条件を減らし、比較をやめて、一人ひとりに丁寧に向き合うことが、決断の質を高める

迷って疲れたときこそ、選択肢を減らす勇気を持ってみませんか?
“選ぶ力”は、選択肢の数ではなく、選び方で変わります。

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